研究テーマ (2011)

人工知能の研究と,生命的エージェントを用いるマルチモーダルシス テムの研究,及びネットワーク化知的情報環境の研究を進めています. 現在のテーマの概要は以下のようになります.

生命的エージェントとマルチモーダルシステム
Lifelike Agents and Multimodal Systems

現在主流のGUI(Graphical User Interface)を超える ヒューマンインタフェースの新形態として,自然感の高い動作する顔,視覚, 音声対話能力,インターネット上の情報源へのアクセス能力を有する, VSA(Visual Software Agent)と称する マルチモーダル擬人化インタフェースエージェントの開発を行いました. 技術的には実時間画像生成・認識、音声認識・合成、対話管理, インターネット及びWWWへのアクセス技術の融合により,日常生活の face-to-face対話に近い マルチモーダルなヒューマンインタフェース環境を可能にしています. 我々のVSAの実用性を高めることになったのは、何といってもWWWブラウザ (当初はMosaic、次いでNetscape)との結合を実現したことでした. これによってマウス操作に加えて,擬人化エージェントとの音声対話を通じて 膨大なWWW情報源へのアクセスが可能になっています. ( English Overview Paper (HTML) -- totally 2MB )

1998年より,単にインタフェースとしてだけでなく,新しいマルチモーダル 情報コンテンツとしての,生命的キャラクタエージェントによる プレゼンテーションシステムの研究開発を進めています. MPML(Multimodal Presentation Markup Language) はHTMLによりWebページを作成するのと同じように, キャラクタエージェントによるマルチモーダルコンテンツを誰ででもが容易に 作成できるようにする記述言語です.MPMLは3次元VRML空間に対応する バージョンや,携帯電話へ対応するバージョンも作成しています. (1999-2004年 未来開拓学術研究として実施.)
MPMLに関連し,感情表現,生体感情センサによる感性的インタフェース (Affective Interface),お喋りソフト(ChatterBot)との結合による柔軟 な対話処理,教育コンテンツ作成への適用などの研究を進めています. ( MPML関係の研究紹介スライド)

インターネット/Web インテリジェンス
Internet/Web Intelligence

インターネット,WWW(Web)やマルチメディア技術の進展により,我々の 情報空間は質量ともに大きく変わりつつあります. 豊かな情報空間からの刺激,入力は人間の頭脳の活性化に不可欠な要素ですが, 要不要の情報が混在する雑然とした不均質な情報空間の中ではかえって必要な 情報の抽出,判断に余分な労力を使うことになってしまいます. ここではWebを主な対象にして,情報空間を人間にとって分かりやすく親しみ やすい創造的空間にするための以下のような知的処理の研究を行っています. 特にテキスト情報は主要な情報媒体であることにより,自然言語テキスト処理 を重要技術にしています.
  • 潜在的関係検索エンジン(Latent Relational Search Engine)
  • Webからのエンティティ対間の関係類似性の計算
  • WWWページの理解、特にハイパーリンクの意味理解に基づくカテゴリ分け
  • WWW空間の弱組織化、エリアビュー(Area View)機能
  • WebBeholder, ETTS: WWWページの意味のある変化を定期的に検出して通知 するシステム
  • Fish Eyeマッチング機能 & Fish Viewシステム: 視点に基づく大量文書情報の整理の支援
  • WWW知能化のためのテキスト処理(キーワード抽出,複数テキスト文の要約, 自然言語文による質問応答) [新しいキーワード抽出法で2003人工知能学会論文賞受賞]
  • WWWからの人間関係ネットワーク抽出
  • 電子掲示板からの情報抽出(評判情報,影響力大の人物)
  • 議論構造の可視化
  • Chance Discovery in WWW

人工知能メカニズム
Artificial Intelligence Mechanisms

1990年代までは,演繹的推論を超える高次人工知能機能の利用に向けて, 矛盾の可能性を有するような不完全な知識を操作して知識ベース能力を拡大 する基盤技術の研究を行ってきました. 特に仮説推論、アブダクション(発想的推論)の高速化メカニズムについて 研究し,準最適解を低次多項式時間で求める優れた手法を考案,開発しました. (初期の手法で1991人工知能学会論文賞受賞.)
重み付き制約充足問題(CSP)に対しても,数理計画法の考え方も導入して 準最適解を高速に見い出す手法の研究も行いました.
最近では,自然言語に近い表現を可能とし,かつ推論機能を内在する KRNL(Knowledge Representation for Natural Language) という知識表現法の研究開発を進めています. これは,多数の人が自然言語テキストとして記述する知識を知識ベース化 をして統合し,断片的知識を組み合わせて,連鎖的推論によって利用する 機能が特徴になっています.世界的に進行しているSemantec Webとは 一味異なり,Webテキストソース・レベルの高次利用を目指す 我が国発のSemantic Computing計画にも参加しています.



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